抄録
症例は59歳,男性.2005年に下咽頭癌(高分化型扁平上皮癌)で下咽頭喉頭全摘出術,食道抜去術,胃管再建術を施行した.2006年10月より嘔吐・腹痛が出現,癒着性腸閉塞の診断で入院となった.保存的治療では改善を認めず,緊急手術を施行した.回腸に3箇所の腫瘍性病変を認め,小腸腫瘍による腸閉塞と判断し小腸部分切除を施行した.病理組織学的所見として扁平上皮癌を認め,下咽頭癌小腸転移による腸閉塞と診断した.非常にまれな下咽頭癌を原発とする転移性小腸腫瘍の1例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する.