日本臨床外科学会雑誌
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症例
門脈内および腹腔内に迷入した針を内視鏡下および腹腔鏡下に摘出した1例
櫻井 翼江上 拓哉倉田 加奈子北原 光太郎中村 賢二福山 時彦
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キーワード: 門脈, 異物
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2015 年 76 巻 9 号 p. 2196-2200

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抄録
症例は64歳,女性.上腹部痛および発熱を主訴に当科外来を受診した.病歴を聴取すると,約1カ月前に自殺目的に針を飲用していた.腹部造影CTでは腹腔内に針様構造物(5cm大)を2本認めた.1本は十二指腸球部から門脈内に迷入しており門脈内血栓を伴っていた.もう1本は腹腔内の上行結腸近傍に認めた.同日に緊急上部消化管内視鏡を施行し門脈内の針を抜去した.後日残存する腹腔内の針を腹腔鏡下に摘出した.手術は透視を併用しながら行い,摘出後に腹腔内に針の遺残がないことを確認した.明らかな穿孔部位は同定できなかった.術後経過は良好で,門脈内血栓のコントロールのためワーファリン内服を行った.自殺企図に飲用した針が腹腔内および門脈内に迷入した1例を経験した.内視鏡下および腹腔鏡下に安全に摘出したが,飲用した針が門脈内に迷入した症例は本邦初であり文献的考察を加え報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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