2024 年 5 巻 2 号 p. 99-103
当院循環器病棟は, 2022年1月にCOVID-19の院内クラスターとなり, 包括的高度慢性下肢虚血 (CLTI) を有する透析患者6例 (年齢: 62-80歳, 男性5名) も感染し, 感染エリア (個室4床) に隔離された. CLTI治療における血行再建, 高気圧酸素療法, LDLアフェレーシスやリハビリテーションは全て中止となり, 病室で実施可能な創処置のみを実施した. 透析は隔離病棟内で実施し, 週3回3時間に制限された. 当病棟看護師の1/3も感染したため, 十分なフットケアは困難であった. COVID-19治療は全例にモルヌピラビル投与を含む通常治療がなされ, コロナ肺炎を2例に認め, 1例は, 肺炎回復期に後腹膜血腫を, 1例は心筋梗塞を発症後死亡した. 無症状で経過したのはわずか1例であり, 食事摂取量の低下と廃用症候群の進行のため1例は, 寝たきりとなり転院となった. 続発した誤嚥性肺炎で1例を失った. 自宅退院できたのは6例中3例であった. COVID-19感染による隔離期間はわずか10日間であったが, 感染症と原病による病状悪化に加え, 隔離によるADLの低下, 透析時間の制限, 介護力の低下も予後不良の一因となったと考えられた.