日本臨床外科学会雑誌
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症例
Stage II大腸癌の術後補助化学療法で重篤な副作用を呈したDPD活性低下の1例
三竹 泰弘平松 和洋加藤 岳人柴田 佳久吉原 基青葉 太郎
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2015 年 76 巻 9 号 p. 2247-2251

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抄録

症例は78歳の女性で横行結腸癌イレウスに対し,横行結腸切除術を施行した.病理診断は,中分化腺癌,SE(T4),ly1,v1,N0(0/7),H0,P0,M0,Stage IIであった.再発高リスク群であり,術後補助化学療法としてカペシタビンの投与を開始した.投与開始後,発熱性好中球減少症(Grade2),下痢(Grade3),口内炎(Grade3)を発症し入院となった.抗菌薬とG-CSF製剤の投与で発熱性好中球減少症は改善したが,腸炎が重篤化し敗血症性ショックとなった.末消血単核球でdihydropyrimidine dehydrogenase(DPD)蛋白量を測定すると11.8U/mg proteinであり,DPD活性低下症と診断した.

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© 2015 日本臨床外科学会
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