日本臨床外科学会雑誌
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症例
右閉鎖リンパ節に孤立性転移再発をきたした盲腸癌の1例
高取 寛之前田 光喜内倉 敬一郎塗木 健介脇本 讓二
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2016 年 77 巻 1 号 p. 88-92

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抄録

今回,われわれは盲腸癌術後に右閉鎖リンパ節に孤立性転移をきたした症例を経験したので報告する.症例は72歳の女性.2014年1月に盲腸癌に対し回盲部切除を施行した.腫瘍は2型,中分化腺癌+粘液癌,後腹膜への浸潤を認めpT4b pN0 cM0 pStage IIであった.再発リスクが高いと判断し術後補助化学療法を行った.補助化学療法終了後の腹部造影CTで右閉鎖リンパ節の腫大を認め,術後9カ月目の再発と診断した.化学療法を行い,評価の画像検査で右閉鎖リンパ節以外に再発所見を認めないため,2015年4月に腫大した右閉鎖リンパ節の摘出術を行った.摘出したリンパ節は病理組織学的に盲腸癌の転移であった.盲腸癌の閉鎖リンパ節転移再発は非常に稀であり報告する.

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