2016 年 77 巻 10 号 p. 2598-2602
症例は62歳,女性.直腸癌に対する腹腔鏡下直腸切断術後に傍ストーマヘルニアを認め,keyhole法で腹腔鏡下修復術を施行した.そのヘルニア修復術から23カ月後にストーマ周囲の疼痛を主訴に当院を受診し,腹部CTで傍ストーマヘルニア嵌頓と診断した.用手的に整復できたため,待期的に腹腔鏡下修復術を施行した.前回のkeyholeメッシュと挙上結腸との間にヘルニア門を認め,前回のメッシュに重ねてParitexTM Parastomal meshを用いたSugarbaker法を追加し修復した.近年,傍ストーマヘルニアに対しても腹腔鏡下手術の報告が散見されるが,その再発症例に対する治療報告は少ない.
今回われわれは,腹腔鏡下修復術後の再発傍ストーマヘルニアに対して腹腔鏡下に修復した1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.