日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡内視鏡合同手術を施行した残胃吻合部神経内分泌腫瘍の1例
松本 浩次尾花 優一新井 俊文黒崎 哲也畑中 正行青木 いづみ
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2016 年 77 巻 12 号 p. 2948-2953

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抄録

症例は82歳,男性.20歳台に十二指腸潰瘍に対し,広範囲胃切除Billroth-I法再建がなされていた.逆流症状を主訴に,上部消化管内視鏡検査を施行し,吻合部大弯側前壁寄り十二指腸側に,5.0mm大の中央に陥凹を伴う隆起性病変を認め,生検にて,G1-神経内分泌腫瘍(NET)と診断された.超音波内視鏡検査(EUS)では,腫瘍は第4層まで浸潤し,深達度は固有筋層以深と判断された.高齢であることより腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)による,吻合部局所切除術の方針とした.手術は内視鏡下に腫瘍を中心に十分なマージンを確保し全周性に針状メスにて全層穿破し,腹腔鏡下にそのマーキングに添って吻合部を局所切除し,欠損部を体内結紮にて縫合閉鎖した.病理組織学的にも摘出標本は断端陰性であった.吻合部NETに対し,LECSを用いることで遺残なく腫瘍を切除し,臓器機能を温存することが可能となった.

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