日本臨床外科学会雑誌
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症例
直腸癌同時性孤立性脾転移の1例
栗田 大資杢野 泰司松原 秀雄山崎 公稔社本 幹博弥政 晋輔
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キーワード: 直腸癌, 孤立性脾転移
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2016 年 77 巻 3 号 p. 603-606

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抄録
症例は87歳,男性.食思不振と貧血精査により診断された直腸癌に対して,低位前方切除術を施行した.病理所見は,tub2,SE,ly2,v2,pN1,cM0,pStage III aであった.術前より腹部CTで脾臓に9×6mmの低吸収域を認めていたが,既往手術による上腹部の癒着のため術中に確認できず経過観察とした.術後4カ月に行ったCTで脾臓の低吸収域は38×30mmに増大していた.FDG-PET検査で同部位にFDGの高集積を認め,他部位には認めなかった.以上の検査結果より,直腸癌の孤立性脾転移と診断し,脾摘出術を施行した.病理所見は中分化管状腺癌で,直腸癌脾転移と診断した.脾門部リンパ節に転移はなく,腫瘍は脾被膜内に限局していた.高齢のため術後化学療法は施行せず,脾摘出術後8カ月が経過した現在まで無再発生存中である.大腸癌の孤立性脾転移は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2016 日本臨床外科学会
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