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鈴木 幸正, 横山 智, 齋藤 善広, 笹野 公伸
2016 年77 巻3 号 p.
517-521
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
フリー
症例は71歳,女性.左乳腺腫瘤を自覚し当科を受診した.左EC領域に約15mmの腫瘍を触知し,MMGにて楕円形の腫瘤,超音波検査にて径20mmの内部不均一な腫瘍が認められた.摘出生検による病理診断で,腫瘍細胞はchromogranin Aとsynaptophysin双方が陽性でsolid papillary carcinoma(SPC)と診断された.さらに,腫瘍細胞でmammalian target of rapamycin (mTOR),somatostatin receptor2(SSTR2)双方の発現が認められた.SPCはMalufらによって提唱された乳癌亜型で,神経内分泌的性質を有することが特徴である.本症例ではmTOR・SSTR2の発現が腫瘍細胞で認められたことより,今後治療に向けてmTOR阻害薬やソマトスタチンアナログ製剤の有用性の検討が必要と考えられる.
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大屋 久晴, 福岡 伴樹, 真田 祥太朗, 宇野 泰朗, 佐野 正明, 越川 克己
2016 年77 巻3 号 p.
522-527
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
フリー
乳腺扁平上皮癌の頻度は全乳癌の0.1-0.4%とされている.今回,von Recklinghausen病を有する症例で,巨大な左乳房腫瘍に対し生検を行い,扁平上皮癌の結果で診断・治療方針の選択に難渋した症例を報告する.
症例は64歳,女性.平成27年1月,左乳房腫瘤を主訴に当科を受診した.胸部CTでは左乳房に不正形腫瘤と左腋窩リンパ節腫大を認めた.針生検では扁平上皮癌の結果で,乳腺扁平上皮癌の頻度が少ないことから乳腺扁平上皮癌に加え有棘細胞癌も鑑別にあがった.病理医・皮膚科医師とともに検討し,皮膚癌の可能性は低いとされたため,乳癌臨床病期T4bN1M0 Stage IIIBと診断した.術前補助化学療法を施行後,左乳房切除術・左腋窩郭清を行った.手術標本での病理検査所見では,腫瘍は表皮から連続する扁平上皮癌で,既存乳腺と腫瘍との連続性を認めないため有棘細胞癌の診断となった.
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永田 好香, 山田 壮亮, 田嶋 裕子, 花桐 武志, 田中 文啓
2016 年77 巻3 号 p.
528-534
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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全身性強皮症(systemic sclerosis:scleroderma)は,皮膚や内臓を含む諸臓器の線維化と血管内皮障害を特徴とする膠原病である.全身性強皮症では,健常者と比較し悪性腫瘍を高頻度に合併することが報告されている.今回,われわれは全身性強皮症を合併した乳癌症例を経験した.症例は53歳の女性.全身性強皮症加療中のCT検査で,左乳房外下(D)領域に不整形の腫瘤を認めた.針生検で左乳癌と診断し,手術(左乳房切除術およびセンチネルリンパ生検)を施行した.術後4カ月の補助療法(FEC療法)中に転移性肝腫瘍を認め,抗癌剤治療(AC療法)を施行.ホルモン療法(ANA,EXE)へ変更後,病勢が緩徐に進行し,UFT内服・ハラヴェン療法を施行.再度ホルモン療法を施行し,術後3.6年で原病死となった.全身性強皮症を合併した乳癌症例の治療法について,文献的考察を加えて報告する.
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浦中 康子, 南 智行, 勝俣 康史, 小池 繁臣, 益田 宗孝
2016 年77 巻3 号 p.
535-538
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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今回われわれは,極めて稀な僧帽弁弁尖の外傷性裂傷による僧帽弁閉鎖不全の1手術例を報告する.症例は42歳の男性.3年前に3階から転落,顔面骨折・骨盤骨折・脳挫傷・肺挫傷および外傷性大動脈解離を発症し,当院に入院した.受傷直後の僧帽弁の逆流は軽度であり,循環動態の異常は認められなかった.入院加療を行い,受傷後18日目に全身状態は改善し退院した.経過観察中,受傷2年後に労作時の息切れが発現し,経胸壁心臓超音波検査にて僧帽弁閉鎖不全の増悪を認めた.受傷3年後,僧帽弁形成術を施行した.術中所見では僧帽弁の前交連側前尖(A1)に裂傷を認め,これによる重症僧帽弁閉鎖不全と考えられた.裂傷部の弁尖縫合により逆流は消失し,術後労作時の息切れも消失した.
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山本 将輝, 向田 秀則, 多幾山 渉
2016 年77 巻3 号 p.
539-544
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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症例は28歳,妊娠34週の女性.胸痛を主訴に当院を受診した.胸部X線検査にて右胸水貯留を認め,胸腔試験穿刺で血性胸水を確認した.CT検査で肺動静脈瘻を認めたため,肺動静脈瘻破裂による血胸と診断し緊急手術の方針とした.血胸ではあるが,血行動態が安定していること,34週を超え胎児の呼吸機能は成熟していることから,産婦人科医と相談し緊急帝王切開を先行し,その後に胸腔鏡手術を施行した.胸腔内には多量の血性胸水と動静脈瘻からの拍動性の出血を認めたため,肺動静脈瘻を含めた肺部分切除術を行った.胎児はNICUに入室することとなったが,母児共に術後は良好に経過した.妊娠を契機とする循環血液量の増加やプロゲステロンの増量による血管の拡張が原因となり,肺動静脈瘻が増悪し重篤な合併症を引き起こす可能性がある.妊娠中に肺動静脈瘻が増悪した場合,母体や胎児の状態に合わせた治療が必要となる.
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帖佐 英一, 綾部 貴典, 森 浩貴, 富田 雅樹, 中村 都英
2016 年77 巻3 号 p.
545-551
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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症例は29歳,女性.妊娠中に呼吸困難と左胸痛のため入院した.母体を優先して人工妊娠中絶を行った.CT検査およびMRI検査で左前胸壁に心臓を圧排する15×8×16cm大の腫瘍を認めた.超音波ガイド下針生検でデスモイド腫瘍と診断され,手術を施行した.左第7から第10肋骨を含む胸壁を心膜と横隔膜も含めて切除し,広範囲胸壁欠損に対してmeshを用いて再建した.術後創感染をきたしたので,meshを除去し遊離大腿筋膜張筋皮弁を用いて再建した.術後6年経過して再発を認めていない.
妊娠中のデスモイド腫瘍の治療については一定の見解がなく,今後の症例の集積が必要である.
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高野 道俊, 福田 俊, 岡 大嗣, 川島 吉之, 田中 洋一
2016 年77 巻3 号 p.
552-558
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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食道癌に対する放射線治療後,6年以上経過して発生した食道(胃管)瘻形成を経験した.症例1は60代の男性.UtCe Stage IVaに対して根治放射線化学療法を施行しcomplete response (CR)を得た.瘢痕狭窄に対し拡張術を繰り返していたが,6年後,頸部背側に穿通した膿瘍が頸椎に波及したため,下肢の神経障害が出現した.咽頭喉頭頸部食道切除,胸壁前胃管挙上による胸部食道バイパス術を施行した.症例2は50代の男性.AeLt Stage 0の診断でendoscopic submucosal dissection (ESD)を施行.病理診断で粘膜下層に浸潤を認めたため,食道亜全摘,リンパ節郭清,後縦隔胃管再建を施行した.病理組織学的診断で多発リンパ節転移を認め,術後補助化学放射線療法を施行した.無再発生存中の術後7年目に胃管潰瘍に伴う胃管気管瘻を認め,胸壁前経路による食道空腸バイパス術を施行した.放射線治療後の食道(胃管)瘻に外科治療が奏効した2例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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森 秀暁, 太田 徹哉, 藤原 拓造, 内藤 稔
2016 年77 巻3 号 p.
559-563
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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患者は70歳,女性.2007年11月の上部消化管造影検査で胃噴門部腫瘤を指摘された.上部消化管内視鏡検査で胃噴門直下小彎側に約60mmの粘膜下腫瘍を認め胃粘膜下腫瘍の診断で噴門側胃切除術を施行した.病理組織検査において扁平上皮癌と診断されたが,粘膜病変を指摘し得なかった.Fluorodeoxy-glucose (FDG) positron emission tomography (PET)検査で肺門・縦隔に高集積を認めたが原発巣特定に至らず,原発不明扁平上皮癌の胃転移と診断した.Carboplatin,docetaxel 2剤による化学療法を4コース施行されたが,術後16カ月で永眠された.病理解剖においても原発巣特定に至らず,肺門縦隔リンパ節癌の胃転移の可能性が推察された.
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中出 裕士, 松本 壮平, 若月 幸平, 右田 和寛, 伊藤 眞廣, 中島 祥介
2016 年77 巻3 号 p.
564-568
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は83歳,女性.胃癌で腹腔鏡補助下胃全摘術を施行され,経過観察中の術後3年5カ月目に嘔吐を主訴に受診した.腹部X線検査では左上腹部にniveauを伴う拡張した小腸を認めた.腹部造影CT検査では左側腹部で空腸の重積像を認め,同部位より口側の輸入脚と挙上空腸は著明な拡張していた.画像所見より胃全摘術後逆蠕動性腸重積を疑い,手術を施行した.Y吻合部の逆行性腸重積症であり,Hutchinson手技で整復を行ったが,浮腫と虚血の改善が見込めないため空腸部分切除を行った.胃全摘術後腸重積は珍しく,特に逆行性重積は自験例を含め本邦では15例の報告を認めるのみである.今回われわれは,腹腔鏡下胃全摘後逆行性に空腸がY脚へ重積をきたした1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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別木 智昭, 安部 智之, 竹井 大祐, 斎藤 竜助, 天野 尋暢, 中原 雅浩
2016 年77 巻3 号 p.
569-572
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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症例は13歳,男性.入院の半月前から間欠的な腹痛を自覚しており,症状の改善を認めないため当院紹介受診した.来院時バイタルサインは安定していたが心窩部に圧痛があり,腸蠕動音は減弱し,腹膜刺激症状を認めていた.血液生化学検査所見では炎症反応の上昇があった.腹部単純X線検査では,典型的な鏡面像を呈しており腸閉塞が示唆された.腹部造影CTでは下行結腸背側に小腸が嵌入しており,嚢状構造を形成していた.嵌入した小腸壁の造影効果は不良であり,腸管壊死をきたした左傍十二指腸ヘルニアと診断し腹部正中切開で手術を開始した.手術所見として,空腸が壊死していたため小腸部分切除術を施行した.術後経過は良好で,合併症を起こすことなく14日目に退院となった.今回,われわれは,小児における左傍十二指腸ヘルニアの1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
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古谷 裕一郎, 寺田 卓郎, 宗本 義則, 飯田 善郎, 三井 毅
2016 年77 巻3 号 p.
573-577
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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精神発達遅滞患者や認知症患者における異食の報告例は散見される.今回,ビニール手袋の異食により小腸閉塞および穿孔をきたし,手術を要した1例を経験したので報告する.
患者は出生時より精神発達遅滞がある17歳,男性.突然の嘔吐を主訴に近医を受診し,腸炎と診断された.しかし,症状の改善はなく腹痛も出現したため,翌日に当院受診となった.腹部単純CTにて回腸内に直径約50mmの低吸収の塊を認め,異物が疑われた.過去に布団の綿の異食歴があり,異物は布団の綿が疑われた.自然排泄を期待し経過観察の方針としたが症状の改善はなく,7日間の経過観察ののち手術を施行した.腹腔鏡にて観察すると回腸に閉塞部を認めた.同部に異物が嵌頓し,腸管は菲薄化し穿孔が疑われたため,小切開を追加し小腸部分切除術を施行した.異物は2枚のビニール手袋が一塊となったものであった.術後は腸管麻痺や創部感染を併発したが,術後28日目に退院した.
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佐藤 武揚, 久志本 成樹
2016 年77 巻3 号 p.
578-581
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は59歳の男性.小腸潰瘍からの出血によりショック状態となった.内科的治療により出血のコントロールができず,第11病日に術中内視鏡検査と出血源である回腸切除術を行った.病歴からNSAIDs関連病変が疑われ,他部位にも出血源となる病変が存在する可能性が考えられたことから腸管吻合はせず,open abdomen managementによりplanned staged surgeryとすることを選択した.術後も上部空腸からの出血による貧血の進行があり,第13病日に術中内視鏡検査と空腸部分切除を行った.状態の安定を確認し第16病日に腸管を吻合し,第18病日に閉腹した.積極的なopen abdomen management を組み合わせたplanned multi-staged surgeryは,内科的治療抵抗性で複数箇所からの出血が疑われる小腸潰瘍に対して有効な治療手段の一つとなる可能性がある.
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小林 博通, 土橋 篤仁, 吉田 有徳, 石橋 一慶, 國場 幸均, 大坪 毅人, 相田 芳夫
2016 年77 巻3 号 p.
582-587
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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イレウス管による空腸重積を併発し,緊急手術を要した原発性回腸癌の1例を経験したので報告する.症例は74歳の男性.2015年3月,1カ月以上続く腹部不快感にて前医を受診した.その後,精査目的に当院紹介受診となり,CTでイレウスと診断され当院入院となった.その時のCTで回腸の一部に閉塞機転が疑われた.イレウス管にて小腸の減圧を図り,閉塞機転を精査してから待機的手術の方針とした.しかし,イレウス管が中々進まずイレウスの改善が不十分であり閉塞機転の精査もできていなかったため,入院後14日目に透視下でイレウス管を先進させた.その後,突然の腹痛・発熱・血圧低下を認め,CTで空腸重積が疑われ緊急手術を施行した.手術は腸重積解除術と回腸部分切除術を施行した.術後経過は良好であった.術後の病理検査結果にて原発性回腸癌と診断された.以上に若干の文献的考察を加えて報告する.
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小池 卓也, 河野 悟, 磐井 佑輔, 佐々木 一憲, 若林 正和, 風間 暁男
2016 年77 巻3 号 p.
588-591
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は72歳,男性.胃癌にて胃全摘後(T2N1M0 stage II)経過観察中,横行結腸神経内分泌癌(neuroendocrine carcinoma:以下NEC)を認め,結腸部分切除術を施行した.術後4カ月で多発性肝転移を認め,UFT内服にて経過観察をしたが転移巣は増大し,術後13カ月目に肝不全で永眠された.神経内分泌腫瘍はWHO分類の改定によりneuroendocrine neoplasms(以下NEN)と総称され,病理組織学的悪性度により細分し,NECもこの分類に含まれている.結腸原発のNECは一般的に予後不良であり,自験例も定期的な経過観察を行っていたにも関わらず,術後急速な再発を認め有効な治療を行うことができなかった.結腸NECに対しては手術のみでは予後不良であり,集学的治療が必要であると考えられた.
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出原 啓介, 山本 誠士, 田中 慶太朗, 鱒渕 真介, 奥田 準二, 江頭 由太郎, 内山 和久
2016 年77 巻3 号 p.
592-596
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は53歳,女性.慢性的な下痢に対し大腸内視鏡検査を施行予定であったが,前処置でイレウスを発症した.後日施行された大腸内視鏡検査にて,直腸S状部に全周性の粘膜下腫瘍様病変による狭窄を認めた.生検は悪性所見を認めなかった.CTでは上部直腸に壁肥厚像を認めた.リンパ節転移や他臓器への転移は認めず,腹腔鏡下低位前方切除術,横行結腸人工肛門造設術を施行した.病理診断では粘膜下層から漿膜下層に高分化管状腺癌を認め,免疫染色ではCK7陽性・CK20陰性であった.非典型的な大腸癌であり,原発不明癌として術後化学療法を検討したが患者が希望しなかったため経過観察のみとし,2年4カ月経過したが再発・転移を認めず,人工肛門閉鎖術を施行した.原発不明癌との鑑別を要し,肉眼的および組織的に特異な形態を呈した大腸癌の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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朴 聖愛, 富丸 慶人, 畠野 尚典, 足立 史朗, 堂野 恵三
2016 年77 巻3 号 p.
597-602
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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症例は69歳,男性.9年前に直腸癌(T1bN0M0 Stage I)に対し,直腸高位前方切除術を施行後,外来経過観察を行っていた.術後5年目に肝転移を認め,肝S5/6部分切除術を施行し,さらに術後8年目に膵腫瘤と肺腫瘤を認めた.肺腫瘤に対して切除術を行ったところ,病理検査では直腸癌肺転移と診断された.膵腫瘤は,腹部CT検査では約20mm大の膵鉤部乏血性腫瘤であり,FDG-PET/CT検査ではFDGの異常集積を伴っていた.原発性膵癌または直腸癌膵転移の術前診断のもと,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理組織検査では,原発の直腸癌組織と類似した高分化型管状腺癌像を認め,免疫組織化学染色では原発巣同様のCK7(-)・CK20(+)の染色パターンを示したことから,直腸癌膵転移と診断された.膵転移切除後12カ月経過した現在,明らかな再発の徴候は無く,外来経過観察中である.
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栗田 大資, 杢野 泰司, 松原 秀雄, 山崎 公稔, 社本 幹博, 弥政 晋輔
2016 年77 巻3 号 p.
603-606
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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症例は87歳,男性.食思不振と貧血精査により診断された直腸癌に対して,低位前方切除術を施行した.病理所見は,tub2,SE,ly2,v2,pN1,cM0,pStage III aであった.術前より腹部CTで脾臓に9×6mmの低吸収域を認めていたが,既往手術による上腹部の癒着のため術中に確認できず経過観察とした.術後4カ月に行ったCTで脾臓の低吸収域は38×30mmに増大していた.FDG-PET検査で同部位にFDGの高集積を認め,他部位には認めなかった.以上の検査結果より,直腸癌の孤立性脾転移と診断し,脾摘出術を施行した.病理所見は中分化管状腺癌で,直腸癌脾転移と診断した.脾門部リンパ節に転移はなく,腫瘍は脾被膜内に限局していた.高齢のため術後化学療法は施行せず,脾摘出術後8カ月が経過した現在まで無再発生存中である.大腸癌の孤立性脾転移は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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迫川 賢士, 宮原 栄治, 亀田 彰
2016 年77 巻3 号 p.
607-613
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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症例は79歳,男性.心窩部痛の精査で施行したCTで門脈ガス血症を認めた.明らかな腸管虚血所見は認めなかったので入院にて経過観察とした.翌日の再検CTでfree airとガス産生肝膿瘍を認め,腹部症状も持続していたために腹腔内精査を要するものと判断し,審査腹腔鏡を施行した.腸管に異常所見は認めなかったが,胆嚢に発赤と緊満を認め,胆嚢炎に併発した門脈ガス血症とガス産生肝膿瘍と診断し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.以後,速やかに腹部症状の改善を認め,術後第18病日に退院となった.後日,静脈血と胆汁の細菌培養でClostridium perfringensが検出され最終診断に至った.門脈ガス血症は予後不良の徴候とされるが,早期に診断を確定し積極的治療を行うことで治療成績の向上が見込まれる.今回われわれは,腹腔鏡下に診断しえた,門脈ガス血症とガス産生肝膿瘍を伴った胆嚢炎の1例を経験したので報告する.
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立石 昌樹, 高見 裕子, 龍 知記, 御鍵 和弘, 和田 幸之, 才津 秀樹
2016 年77 巻3 号 p.
614-617
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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高齢者肝細胞癌(以下,HCC)の異時性両側副腎転移に対し腹腔鏡下副腎摘出術が有効であった1例を経験した.症例は93歳,男性.2008年(86歳時),HCCに対しマイクロ波凝固壊死療法(MCN)を施行した.2009年,左副腎にHCC転移を認め,腹腔鏡下左副腎摘出術を施行した.2011年,HCC再発を認め,肝動脈化学塞栓療法(以下TACE)を施行した.2014年,CTにて右副腎にHCC転移を認め,グルココルチコイド補充下に腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した.HCC初回手術から7年,現在再発なく生存中.両側異時性副腎転移に対し,その治療法選択は年齢や全身状態,様々な患者背景へ配慮が必要であったが,外科治療を施行し,経過良好であった.高齢者のHCCは増加傾向にあり
21)~23),副腎転移に対する腹腔鏡下摘出術は低侵襲でQOL(quality of life)を考慮した有効な治療法と思われた
1).
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鍵谷 卓司, 須貝 道博, 石戸 圭之輔, 齋藤 傑, 木村 俊郎, 袴田 健一
2016 年77 巻3 号 p.
618-624
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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症例は1歳4カ月の女児で,1カ月前から黄疸と灰白色の軟便が認められていた.感冒症状で近医を受診した際に,肝内および肝外胆管の拡張を指摘され当科紹介となった.CTで肝内胆管の拡張と腹腔内を占める径11cmに拡張した総胆管が認められ,戸谷分類IV-A型の先天性胆道拡張症と診断した.その後,胆管炎による敗血症を引き起こし,Tチューブを用いた胆管外瘻造設術を要した.全身状態の改善後に拡張胆管切除,肝管空腸吻合術を施行した.術後経過良好で根治手術後15日目に退院した.巨大な嚢腫型の先天性胆道拡張症では,胆汁うっ滞による胆管炎を併発すると重篤となる場合があり,胆道ドレナージは炎症状態のコントロールと拡張胆管切離にとって有効と考えられた.
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金丸 幹郎, 七島 篤志, 佐野 浩一郎, 末田 秀人, 内山 周一郎, 真方 寿人, 田中 弘之
2016 年77 巻3 号 p.
625-630
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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肝外胆管原発の腺扁平上皮癌は,稀な疾患で通常の腺癌と比べ予後不良であると報告されている.症例は73歳の男性で,黄疸を主訴に近医を受診し,腹部CTで遠位肝外胆管に腫瘍を指摘された.精査加療目的で当科に紹介入院となった.腹部造影CTでは,遠位肝外胆管に造影効果のある約15mm大の腫瘍を認めた.ERCPを行い経乳頭的生検で腺癌と扁平上皮癌の両成分を認め,腺扁平上皮癌が疑われた.亜全胃温存膵頭十二指腸切除術およびD2リンパ節郭清術を施行した.病理組織学的に中分化型腺癌と高分化型扁平上皮癌が混在し腺扁平上皮癌と診断された.浸潤深部に扁平上皮癌成分を認めた.最終病期はT3a(panc),N0,M0,Stage IIAであった.術後3カ月目に肝転移を認め,術後6カ月目に誤嚥性肺炎による急性呼吸不全のため他病死された.
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上村 和康, 磯野 忠大, 植田 猛, 芦沢 直樹, 野村 明芳, 橘 充弘, 藤井 秀樹
2016 年77 巻3 号 p.
631-637
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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胆管癌の骨格筋転移は極めてまれで3例の報告があるのみである.胆管癌切除後に多発骨格筋転移をきたした症例を経験した.症例は73歳,男性.下部胆管癌の診断で膵頭十二指腸切除術を施行し退院した.外来通院中の術後41日目に右上腕に疼痛・腫脹を伴う急速に増大する腫瘤が出現し,右三角筋内の血腫を疑い経過観察していた.術後68日目に左大胸筋に同様の腫瘤出現のため腫瘍を疑い,右上腕腫瘤の針生検から胆管癌の転移と診断された.術後83日目に両側臀筋,術後127日目に右大胸筋・右大腿筋に転移が出現した.化学療法は継続できず,放射線療法を施行し局所の症状は緩和されたが,術後149日目に永眠された.胆管癌の骨格筋転移は極めてまれであり治療は確立されていないが,早期の治療にて予後が改善する可能性があり,悪性腫瘍の既往のある患者に骨格筋腫瘤が出現した場合,転移性腫瘍を念頭に置く必要があると考えられた.
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二階 春香, 梅原 豊, 森田 隆幸
2016 年77 巻3 号 p.
638-643
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は39歳,男性.ばん馬レースで上腹部を馬に蹴られ,ショックバイタルで当院に救急搬送された.上腹部に圧痛を認め板状硬であった.腹部CTでは,肝表面・十二指腸周囲にfree air,膵頭部の腫大を認めた.右腎動脈が断裂し後腹膜血腫を認めた.また,肝後区域に低吸収域を認めた.緊急開腹術を施行したところ,膵頭部は挫滅し主膵管・膵内胆管損傷を伴い,十二指腸下行脚は離断されていた.膵頭十二指腸切除を施行し,再建はせず総肝管・膵管チューブを挿入,膵断端にドレーンを留置して初回手術を終了し,open abdominal managementとした.手術直後にTAEを施行した.約48時間後に再建術を施行した.術後経過は良好であった.膵頭十二指腸切除術の適応となる重傷膵損傷に対し,初回手術は切除・ドレナージまでに留め,二期的に再建術を施行するというdamage control strategyが有効であった.
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上中 祐子, 藤田 博文, 山川 純一, 前田 暁行, 木村 泰生, 荻野 和功
2016 年77 巻3 号 p.
644-649
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
ジャーナル
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膵solid-pseudopapillary neoplasm(以下,SPNと略記)は若年女性に好発する腫瘍であり,男性例は比較的まれである.今回,われわれは男性の膵SPNの1例を経験したので報告する.
症例は45歳の男性で,検診の腹部CT検査で膵尾部に石灰化を伴う約85mmの腫瘤を指摘され,当院受診した.MRIでは,T1強調画像で腫瘍はhigh intensityを示し,T2強調画像ではhigh intensityとlow intensityが混在していた.画像所見から膵SPNと診断し,膵体尾部切除術を施行した.病理結果では,被膜浸潤・脂肪織浸潤を有する膵SPNと診断した.術後膵液瘻などの合併症なく経過し,術後2年3カ月無再発生存中である.
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永井 英雅, 湯浅 典博, 竹内 英司, 後藤 康友, 三宅 秀夫, 宮田 完志, 小林 寛子, 藤野 雅彦
2016 年77 巻3 号 p.
650-656
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は61歳の男性で,健診で糖尿病を指摘されたため当院を受診した.腹部CTで主膵管は内部に腫瘤が充満してびまん性に拡張し,脾静脈内に腫瘤を認めた.腹部超音波検査では主膵管内に充満する,無エコー部を伴う粗雑な低エコー腫瘤を認めた.膵管内乳頭粘液性腫瘍と診断し膵全摘術を施行した.病理組織学的に膵管内に腫大した核を有する異型円柱上皮が管状乳頭状に増殖し,壊死を伴ったが粘液の産生は認めなかった.免疫染色ではCK7・CK19陽性,MUC2陰性で脾静脈内腫瘍栓を伴う膵管内管状乳頭腫瘍(ITPN)と診断した.ITPNは2010年に初めてWHO分類に記載された比較的新しい疾患で稀な腫瘍であるが,膵管内に腫瘤を形成する疾患として鑑別が重要である.
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中右 雅之, 橘 強, 岡部 寛, 光吉 明, 柳橋 健
2016 年77 巻3 号 p.
657-661
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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妊娠・出産による腹直筋離開は,欧米ではしばしば治療対象となるが本邦では着目されていない.今回われわれは,腹部膨隆を主訴とする2回の経膣分娩歴のある33歳,および双子を帝王切開で出産した36歳の女性の腹直筋離開に対し腹腔鏡下に修復を行った.両者とも離開部を鏡視下に非吸収糸で縫縮した後composite meshによる補強を行った.腹部CTによる術前・術後6カ月の腹直筋間距離(inter-recti distance:以下IRD)を,臍部頭側3cm・臍部中央・臍部尾側2cmで計測を行い評価した.1例目ではIRDは術前26mm・42mm・20mmから術後は10mm・15mm・10mmと,2例目では術前26mm・32mm・23mmから16mm・9mm・9mmと短縮した.両者とも術後合併症はなく修復に対する満足度は高かった.妊娠出産後の腹直筋離開に対する本邦での腹腔鏡下修復例の報告はなく,文献的考察を加え報告する.
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山口 拓朗, 前田 佳之, 佐々木 なおみ
2016 年77 巻3 号 p.
662-669
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は71歳,女性.偶然に右副腎腫瘍を指摘され精査加療目的に当科紹介となった.内分泌学的検査では血中ノルアドレナリンの軽度上昇を認めた.CT,MRIで右副腎領域に長径9.5cm大の腫瘍を認めた.腫瘍は肝臓や下大静脈に接し圧排していたが,明らかな浸潤を疑う所見は認めなかった.画像所見から右副腎癌が疑われ,腫瘍摘出術を施行した.術後の病理組織学的所見から後腹膜神経鞘腫と診断された.術後6カ月経過するが,明らかな再発所見は認めていない.稀とされる後腹膜神経鞘腫の1例を経験したので報告する.
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元木 祥行, 杉本 圭司, 中野 克俊, 菅 和臣, 中口 和則, 土居 貞幸
2016 年77 巻3 号 p.
670-673
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は21歳の女性で,激しい下腹部痛を主訴に来院し精査を行った.血液検査では白血球数25,500/mm
3,CRP 29.2mg/dlと高度な炎症反応を認めた.CTにて麻痺性イレウス像と腹水を認めた.経腟エコーガイド下穿刺にて粘稠な黄白色膿性の腹水を認めた.消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断で緊急手術を行った.腹腔鏡にてアプローチし,腹腔内全体に粘稠な黄白色膿性の腹水を認めたが,明らかな消化管穿孔の部位を同定できなかった.更なる十分な観察と洗浄ドレナージを目的に開腹移行となった.明らかな穿孔部位は発見できず,洗浄ドレナージと虫垂切除のみ行った.後日,術中に採取した腹水の培養で淋菌(
Neisseria gonorrhoeae)を検出し,淋菌性腹膜炎と診断した.CTRX 2g/day,MINO 200mg/dayを7日間投与し,術後16日目に退院となった.淋菌性腹膜炎症例を経験したので報告する.
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櫻谷 美貴子, 鎌田 弘樹, 田島 弘, 海津 貴史, 隈元 雄介, 渡邊 昌彦
2016 年77 巻3 号 p.
674-679
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は27歳,男性.発熱・下腹部痛を主訴に来院した.腹部造影CTで,左腎静脈下・下大静脈と腹部大動脈の間に3.0cm大の嚢胞性腫瘤を認めた.PET-CT・EUS-FNA等で精査するも確定診断を得られず,4カ月後に施行したフォローのCTで6.0cmと増大傾向を認めたため,診断目的で腫瘍切除術を施行した.免疫組織染色による検討により胎児性癌が疑われたため,精巣腫瘍の可能性を考慮し,診断目的で泌尿器科で除睾術を施行された.病理組織検査で摘出した後腹膜腫瘍と同一の組織像を認め,精巣原発胎児性癌の後腹膜転移と診断された.後腹膜腫瘍の診断において,頻度は少ないが,鑑別として精巣腫瘍の後腹膜転移も考慮する必要がある.
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北原 弘恵, 宮川 雄輔, 唐澤 幸彦, 森川 明男, 織井 崇
2016 年77 巻3 号 p.
680-686
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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鼠径部ヘルニアに対するtension-free hernioplastyの増加に伴い,メッシュ感染例が報告されるようになってきた.今回,Kugel法術後の遅発性感染に対するメッシュ摘出術を行った症例を経験したが,その術後に一過性の股関節内転筋麻痺をきたしたので,それも併せて報告する.症例は77歳の女性で,右外鼠径ヘルニアに対してKugel法による鼠径ヘルニア修復術を受けたが,その1年8カ月後に鼠径部の違和感で来院した.CTで右鼠径部に膿瘍形成を認めたため,遅発性メッシュ感染と診断した.切開排膿・ドレナージを行い,洗浄を継続したが改善せず,初回手術から3年10カ月後にメッシュ除去術を施行した.メッシュ除去第3病日に右股関節内転筋麻痺症状が出現したが,リハビリによって歩行機能は改善し退院となった.メッシュ除去後2年で感染兆候やヘルニア再発は認めず,右股関節内転筋の筋力も完全に回復していた.
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大野 伯和, 山崎 悠太, 中島 高広, 高瀬 至郎, 楠 信也, 味木 徹夫
2016 年77 巻3 号 p.
687-691
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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症例は66歳,女性.入院先で経口摂取困難な状態となり,右大腿静脈から中心静脈カテーテルを挿入された.挿入後8日目から右下腹部痛,11日目から発熱,腹痛増強を伴う腹壁腫瘤が出現したため,腹壁膿瘍の診断で当院紹介受診となった.外来受診時,右下腹部に圧痛を伴う手拳大の腫瘤を触知し,超音波検査にて腹壁膿瘍と診断した.その後の腹部CT検査にて,右大腿静脈から挿入された中心静脈カテーテルが下腹壁静脈に迷入し,腹直筋膿瘍を形成している状態と診断.緊急手術を施行し,浮腫状に変成した腹直筋と膿瘍形成を認め,膿瘍内にカテーテルを確認した.カテーテルを抜去し創は開放ドレナージとして,感染が治まった後に再縫合した.中心静脈カテーテルの下腹壁静脈への迷入は稀であるが,大腿静脈から中心静脈カテーテルを挿入する場合は,下腹壁静脈など通常は挿入困難と思われる静脈への迷入の可能性にも留意すべきものと考えられた.
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藤田 敏忠, 浜辺 太郎, 貝塚 真知子, 小林 義典, 山田 武男, 濱口 實
2016 年77 巻3 号 p.
692-698
発行日: 2016年
公開日: 2016/09/30
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Aeromonas属菌は,一般に病原性は弱いとされるが,糖尿病や肝硬変などの基礎疾患を有する症例では,敗血症を引き起こし急激な経過で死亡することがある.これまで周術期感染症の原因菌としての報告は少ないが,今回,急性輸入脚症候群術後に急激な経過を辿った重症Aeromonas
punctata敗血症の1例を経験した.症例は64歳の男性で,急性輸入脚症候群の手術後2日目に著明な血小板の低下と筋原性酵素の上昇ならびに右鼠径部より発症し時間単位で急激に進行する紫斑と腫脹を認めた.右大腿皮下軟部組織からの生検でグラム陰性桿菌を検出し,術後壊死性軟部組織感染症の診断で,計3回にわたり体幹から両下肢のデブリドマンを行った.のちに,初回手術の腹水・血液培養・切除した組織からAeromonas
punctataを認めた.術後縫合不全も併発したが,最終的に第110病日に独歩退院した.
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