抄録
mFOLFOX6療法は,切除不能進行再発大腸癌に対する標準治療として広く行われているが有害事象の高アンモニア血症と意識障害についての報告は少なく,高アンモニア血症をきたした場合の大腸癌に対する後治療について一定の見解は得られていない.
多発肝転移を伴うS状結腸癌に対し,mFOLFOX6療法を導入後,高アンモニア血症と意識障害を発症した1例を経験した.後治療として5-FUを減量ないし含まないレジメンへ変更,あるいは治療を断念した症例が既報告されていたが,自験例では血中アンモニア値をモニタリングしつつCapeOX療法を導入,継続できた.比較的短期間に5-FUを投与するmFOLFOX6療法に対し,14日間にわたって経口フッ化ピリミジン系薬剤を投与するCapeOX療法は,5-FUによる高アンモニア血症の既往患者に対する後治療の選択肢の一つとして検討の余地があると考えられた.