日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に修復した心不全症状合併多臓器陥入食道裂孔ヘルニアの1例
石橋 雄次高橋 深幸末松 友樹大森 敬太若林 和彦伊藤 豊
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2016 年 77 巻 5 号 p. 1069-1072

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抄録

症例は61歳,女性.呼吸苦,喘鳴,頻脈にて当院へ入院となった.胸腹部CT検査にて胃・十二指腸球部・横行結腸・回腸・膵尾部が胸腔内に逸脱しており,多臓器陥入食道裂孔ヘルニアの所見であった.これにより左胸腔内の半分以上が占拠され,心臓が右側に圧排されていた.巨大食道裂孔ヘルニアが原因で心不全症状が出現していると考えられ緊急手術の方針とした.腹腔鏡下に食道裂孔ヘルニア修復術,噴門形成術を行った.術後心不全症状は消失し,食道狭窄や逆流症状は認めず,前医へ転院となった.今回,心不全症状を合併した多臓器陥入食道裂孔ヘルニアに対し腹腔鏡下修復術を施行した1例を経験したので報告した.

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© 2016 日本臨床外科学会
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