日本臨床外科学会雑誌
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症例
肺切除を施行した膵癌術後肺転移の3例
金山 雅俊大崎 敏弘西澤 夏將中川 誠小舘 満太郎梶山 潔
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キーワード: 膵癌術後, 肺転移, 肺切除
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2016 年 77 巻 5 号 p. 1062-1068

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抄録

膵癌術後肺転移に対して肺切除を行った3例を報告する.症例1:73歳,女性.膵癌術後2年2カ月目に肺転移(右3個)に対して右肺部分切除,その後,肺転移再発に対して術後4年2カ月目に左下葉部分切除,5年9カ月目に左下葉切除を施行した.経過中,化学療法(GEM 57コース)を継続,膵癌術後7年8カ月無再発生存中である.症例2:76歳,男性.膵癌術後1年8カ月目に肺転移(右3個)に対して右肺部分切除,その後,肺転移再発に対して術後2年1カ月目に左下葉部分切除を施行した.経過中,化学療法(GEM 32コース)を継続,膵癌術後2年11カ月無再発生存中である.症例3:71歳,女性.膵癌術後2年目に肺転移(右1個,左2個)に対して二期的に両側肺部分切除を施行した.経過中,化学療法(48コース)を継続,膵癌術後3年2カ月無再発生存中である.積極的な肺切除と化学療法の継続は予後改善に寄与する可能性がある.

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© 2016 日本臨床外科学会
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