日本臨床外科学会雑誌
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症例
右外腸骨リンパ節再発した上行結腸癌の1例
大草 幹大進士 誠一菅 隼人山田 岳史小泉 岐博内田 英二
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2016 年 77 巻 5 号 p. 1155-1159

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抄録

上行結腸癌術後に右外腸骨リンパ節再発をきたした稀な1例を経験したので報告する.患者は73歳の女性.上行結腸癌の診断で2012年4月に腹腔鏡補助下結腸右半切除術を施行した.術後補助化学療法としてUFT/LVを行うも,4カ月後に右外腸骨リンパ節転移と肺転移を認め,mFOLFOX6+bevacizumabに変更し7コース施行した.4カ月後に肺転移巣は消失したが,大動脈周囲リンパ節転移が出現.初回手術後8カ月目に,右外腸骨リンパ節,大動脈周囲リンパ節を摘出した.しかし,再発手術後2カ月目に多発大動脈周囲リンパ節に再発を認め,FOLFIRI+bevacizumabを施行したが,病勢が進行し原発巣切除後30カ月目に他臓器不全で永眠された.盲腸にかかる結腸癌で深達度が深く,低分化成分を有する場合には,局所のリンパ流に影響し,後腹膜腔のリンパ節に転移する可能性があり,興味深い症例と考えられたので報告する.

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