抄録
Splenic cord capillary hemangioma(以下,SCH)は稀な疾患で,脾悪性腫瘍と鑑別が困難である.今回,肝細胞癌に合併し,悪性腫瘍を否定できず脾摘出術を行った症例を経験した.症例は68歳の男性.閉塞性黄疸の診断で紹介された.腹部造影CT検査で,前区域胆管から後区域胆管や肝外胆管まで腫瘍栓を伴った肝細胞癌を認めた.さらに,脾内に径3~14mmの多数の腫瘤を認め,脾腫瘤は早期濃染像を示し,遷延性濃染は一部のみであった.腹部MRI検査で脾腫瘤はT1強調像で低信号,T2強調像で淡い高信号を示した.転移性脾腫瘍を否定できず治療方針決定のため,腹腔鏡下脾摘出術を先行した.腫瘤は,病理所見で核異型・分裂像を伴わない血管構造の増生を認め,免疫組織化学染色でCD34陽性・CD8陰性であることからSCHと診断した.非典型的な画像所見を示す脾腫瘤を認めた際は本疾患も考慮すべきである.