日本臨床外科学会雑誌
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症例
経皮的脾動脈塞栓併用脾臓摘出術を施行した脾腫(最大径40cm)の1例
赤田 昌紀高橋 道長清治 和将上野 達也後藤 慎二内藤 広郎
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2016 年 77 巻 7 号 p. 1802-1807

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抄録

56歳,女性.腹部膨満感,貧血精査目的に当院を紹介された.全身のリンパ節腫大と腹部US,造影CTにて腹腔内のほぼ半分を占める巨大な脾腫を認め,頸部リンパ節生検による病理組織学的検査にてsplenic marginal zone lymphoma (SMZL)と診断された.切迫脾破裂の状態にて早期脾臓摘出術を行うこととした.術中出血のリスク軽減目的に手術直前に経皮的動脈塞栓術(TAE)を施行し,脾動脈上枝・下枝をそれぞれ選択的に塞栓後,全身麻酔下に開腹脾臓摘出術を施行した.術中脾門部の血管処理は比較的容易であり,術中出血量は678gであった.術後経過は良好で術後11病日にて退院した.鏡視下脾臓摘出術において術前TAEは脾臓体積の軽減に有効であるとの報告があるが,巨脾に対する開腹下脾臓摘出術においても術中出血の制御目的の面から効果的であると考えられた.

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© 2016 日本臨床外科学会
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