日本臨床外科学会雑誌
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症例
開窓術後早期vacuum assisted closure療法により閉鎖した難治性膿胸の1例
三枝 晋大井 正貴今岡 裕基浦谷 亮小林 美奈子井上 靖浩
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2016 年 77 巻 8 号 p. 1927-1931

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抄録
症例は60歳,男性.右胸痛,全身倦怠感,呼吸苦を主訴に当院受診.胸部X線写真,CT上,右膿気胸と診断し,直ちに右胸腔ドレナージおよび抗菌薬投与を開始した.炎症反応の遷延,右胸腔排液減少が乏しかったため,持続洗浄および吸引を行った.持続洗浄・吸引後,速やかな炎症反応の改善を認めたものの,膿瘍腔の縮小を認めなかったため,右開窓術を行った.膿瘍腔内は膿苔に覆われており,膿瘍壁の肥厚・硬化は著明であった.肺実質の露出は認めず,膿瘍腔内を十分に掻爬・洗浄後,手術を終了した.術後2病日より,dressing foamを膿瘍腔に挿入し,vacuum assisted closure(VAC)療法を開始した.1カ月間のVAC療法後,膿瘍腔は縮小を認め,術後約2カ月で膿瘍腔,創は完全閉鎖した.難治性膿胸開窓術後早期にVAC療法を導入し,速やかな膿瘍腔および創閉鎖を得られた1例を経験したので報告する.
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© 2016 日本臨床外科学会
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