日本臨床外科学会雑誌
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症例
ヘルニア嚢内で内ヘルニアをきたし結腸皮膚瘻を生じた臍ヘルニアの1例
木村 和孝皆川 輝彦森田 真理長谷部 行健
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キーワード: 臍ヘルニア, 破裂, 瘻孔
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2016 年 77 巻 8 号 p. 2106-2110

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抄録

症例は79歳,女性.現病歴:BMI36と肥満のある患者.排便をしようといきんだところ,右側臍部から便が出たとのことで,近医を受診し入院加療,手術目的に当院紹介となった.臍部に手拳大の膨隆を認め,一部皮膚壊死を起こした部位より便汁の流出が認められた.腹部CT上,臍部にヘルニアを認め,ヘルニア門は35×80mm,ヘルニア内容は小腸,大腸,および大網で,ヘルニア嚢内にfree airを認めた.ヘルニア嵌頓に伴う消化管穿孔の診断にて手術となった.手術は皮膚瘻の創を延長するように正中切開を行った.ヘルニア嚢を皮下より全周性に剥離し,開放すると大網がヘルニア嚢に癒着しており,大網の間隙から横行結腸が脱出し嵌頓,穿孔していた.小腸は虚血の所見なく,臍ヘルニア自体による絞扼は認めなかった.穿孔部位を切除し,end GIAを用いてfunctional end-to-endにて吻合した.汚染創であるためメッシュは用いず,単閉鎖にてヘルニア修復とした.術後経過は良好で20病日目に退院となった.

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© 2016 日本臨床外科学会
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