日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に治療した外側型盲腸周囲ヘルニアの1例
大平 正典沖原 正章宮田 量平三橋 宏章冨田 眞人佐藤 道夫
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2016 年 77 巻 8 号 p. 2101-2105

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抄録
症例は88歳,女性.開腹歴はなし.腹痛,嘔吐を主訴に近医を受診.腹部単純X線検査にて小腸の拡張像および鏡面像を認め,腸閉塞の診断で当院へ紹介受診となった.腹部造影CT検査では盲腸周囲に原因の存在が推測される小腸の拡張を認めたが,腸管の造影効果は保たれており腹部所見も軽度であったため保存的治療を選択し,同日イレウス管を挿入し入院となった.以後,腹部症状は軽快したため保存的治療を継続したが腸閉塞の改善には至らず,術前に確定診断に至らなかったが内ヘルニアを疑い第14病日に腹腔鏡下手術を施行した.腹腔鏡下に観察したところ盲腸外側に回腸の嵌入を認め,外側型盲腸周囲ヘルニアと診断した.3ポートの鏡視下操作にてヘルニア門を切開開大し腸閉塞の解除および再発予防を行い,腸管は温存しえた.腹腔鏡下手術は低侵襲かつ診断および治療を行うことが可能であり,術前診断が困難な内ヘルニア症例に対して有用であると考えられた.
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© 2016 日本臨床外科学会
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