抄録
症例は72歳,男性.健診の胸部X線検査で異常を指摘された.胸腹部CT検査にて多発肺腫瘍および右腎腫瘍,胆嚢腫瘍を認め当院紹介.右腎細胞癌の多発肺転移,胆嚢癌合併と診断し,右腎摘除および胆嚢摘出術を行った.胆嚢内には有茎性の腫瘍とポリープ様の粘膜下腫瘍を認めた.組織学的に右腎は淡明細胞癌であり,胆嚢内の両腫瘍にも淡明細胞癌を認めたため腎細胞癌の胆嚢転移と診断した.腎細胞癌は肺・肝・骨への転移が多いとされ,胆嚢転移は非常に稀である.さらに,自験例は胆嚢内に形態の異なる転移性腫瘍を認め,胆嚢への転移形成後の形態変化について興味深い症例と思われたので,文献的考察を含め報告する.