日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
脾悪性リンパ腫を疑い腹腔鏡下脾摘術を施行した脾サルコイドーシスの1例
水本 拓也後藤 直大外山 博近浅利 貞毅福本 巧具 英成
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 78 巻 1 号 p. 126-129

詳細
抄録
症例は69歳,女性.関節リウマチに対して加療中にメトトレキサート関連リンパ腫を発症し,メトトレキサート中止にて寛解を維持していた.経過観察のため施行したPET-CTにて脾腫の出現とともに脾臓に強い集積の出現を認め,悪性リンパ腫の再発を疑われ当科紹介となった.診断目的に腹腔鏡下脾摘術を施行,病理組織所見にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,脾サルコイドーシスと診断された.サルコイドーシスはしばしば脾病変を有し,画像上脾悪性リンパ腫とは鑑別困難なため診断的脾摘を要することが多い.著明な脾腫を伴わない病変に対しては,低侵襲な腹腔鏡下脾臓摘出術が診断的脾摘に有用である.
著者関連情報
© 2017 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top