日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した遅発性外傷性真性横隔膜ヘルニアの1例
湯目 玄大島 有希子遠藤 文庫兒玉 英謙手島 伸斎藤 俊博
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 78 巻 11 号 p. 2429-2434

詳細
抄録

外傷に起因した遅発性横隔膜ヘルニアで真性ヘルニアとなった症例を経験し,腹腔鏡下に修復しえたため報告する.症例は46歳の男性で,35歳時に交通外傷にて前胸部を打撲した.それ以降,特に症状もなく生活していたが,11年後に心窩部痛を主訴に当院を受診し,精査したところ胃穹窿部が左胸腔内に入り込んでいる所見がみられた.遅発性外傷性横隔膜ヘルニアの診断となり,腹腔鏡手術が施行された.ヘルニア門は食道裂孔左側の横隔膜でヘルニア嚢がみられる真性ヘルニアであった.腹腔鏡下にヘルニア門の直接縫合による修復術が行われ,以後再発は認めていない.外傷に起因した遅発性横隔膜ヘルニアで真性ヘルニアとなることは稀で,腹腔鏡下修復術が可能であったため報告する.

著者関連情報
© 2017 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top