抄録
症例は78歳の男性.黄疸を主訴に近医を受診し当院紹介となった.術前画像診断で十二指腸前門脈に加え腸回転異常,左側胆嚢,十二指腸前総胆管を合併する遠位胆管癌と診断し,膵頭十二指腸切除術を行った.門脈,右肝動脈および総胆管は十二指腸前面を走行しており,随伴性膵炎を伴っており易出血性であった.門脈,右肝動脈周囲を剥離し膵臓を左側に引き出し膵臓を切離し標本を摘出した.術後経過は良好で術後11日目に退院となった.本症例のように門脈走行異常を伴う症例では他の発生異常を伴うことがあり,術前の診断が重要であり手術操作も留意が必要である.