日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
小腸の放射線性腸炎に対する外科治療
黒田 順士久倉 勝治田村 孝史榎本 剛史大河内 信弘
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2017 年 78 巻 6 号 p. 1196-1200

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抄録
放射線治療後の小腸の放射線性腸炎は,腸閉塞や瘻孔形成をきたし治療に難渋する.側々吻合バイパス術では,瘻孔形成症例において効果が低いこと,また巨大なblind loopを形成することなどが問題となる.近年,回盲部を含めた小腸大量切除が予後良好との報告があるが,手術侵襲が大きく,元来癒着も激しいため困難なことが多い.そこで,責任病巣より口側の小腸を切離し,口側断端を横行結腸に吻合,肛門側断端を皮下に吊り上げることで,上記の問題に対応したバイパス術を施行している.対象は,小腸の瘻孔形成が3例,難治性イレウスが2例である.手術では放射線の影響がないと思われる口側小腸を切離し,口側の断端を横行結腸へ吻合,肛門側の断端を皮下に吊り上げた.術後は全例経口摂取が可能となった.5例中1例で盲端の拡張を呈し,局所麻酔下で吊り上げた盲嚢腸管へのイレウス管挿入・ドレナージ継続を要した.文献的考察を加えて報告する.
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© 2017 日本臨床外科学会
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