日本臨床外科学会雑誌
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症例
肋骨転移をきたしたT1b直腸癌の1例
河野 恵美子山崎 芳郎安政 啓吾春日井 務
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2017 年 78 巻 6 号 p. 1343-1347

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抄録

62歳,女性.検診で便潜血陽性を指摘され,当科に紹介となった.大腸内視鏡検査にて下部直腸に10mm大のI sp型腫瘍を認め,内視鏡的粘膜切除術を施行した.tub1,T1b(2,000μm),ly0,v1,budding grade1,HM0(250μm),VM0(500μm)であり,腹腔鏡補助下低位前方切除術+D2郭清術を施行した.病理組織学的に腫瘍の遺残は認めず,総合所見はT1b,N0,M0,Stage Iであった.術後6カ月のCT検査で両側第9肋骨に腫瘤を指摘され,FDG-PET検査を施行したところ,異常集積(SUVmax7.8)を認めた.CTガイド下生検を施行したところ高分化管状腺癌であり,直腸癌の転移と診断した.早期直腸癌術後で肝臓や肺転移を伴わない骨転移は稀であり,文献的考察を加え報告する.

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