2017 年 78 巻 7 号 p. 1473-1477
ストーマ造設術後のストーマ脱は,ストーマ関連合併症でしばしばみられる.その治療法は,標準的なものが確立されておらず,文献を検索しても少数の報告しかない.これまで,ボタン固定術,自動吻合器による修復術,腹腔鏡下での腸管切除術,Delorme手術を応用した治療,Altemeier法を応用した治療などの報告がある.今回われわれは,直腸脱のAltemeier手術を応用した方法を4例に施行したので報告する.1例は再発を認め,同手術を再度行った.4例とも大きな合併症なく施行することができた.本術式は簡便かつ低侵襲であり,嵌頓した症例に対応できる利点があった.欠点としては,再発する可能性があること,全身麻酔下で行っていること,ボタン法より侵襲が大きく時間が掛かることが挙げられる.ストーマ脱出には種々の状態があり,本術式も治療選択肢の一つとして有用であると思われた.