内視鏡的乳頭切開術後二期的腹腔鏡下胆嚢摘出術症例の臨床的特徴

抄録

目的:内視鏡的乳頭切開術を先行させ，腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行する二期的腹腔鏡下胆嚢摘出術の臨床的特徴について明らかにする．
方法:2008年から7年間に施行した腹腔鏡下胆嚢摘出術595例のうち，二期的腹腔鏡下胆嚢摘出術施行152例を対象とし，残りの443例と比較した．検討項目は術前背景因子，手術時間，出血量，開腹移行，術後合併症，術後在院期間，入院長期化要因である．
結果:二期的胆摘群の術前背景因子は高齢，ASAスコアー高値，肝機能異常，手術高難度を示した．同群の開腹移行率，手術時間，出血量は通常群と比べ有意な差は認めず，術後経過においては術後在院日数9.77日で，在院期間の長期化を示した．在院延長の要因は肝機能異常と発熱の遷延であり，抗凝固や血糖制御を含む患者要因も関与した．
結語:二期的腹腔鏡下胆嚢摘出術は術後在院期間の長期化傾向を示し，その原因は肝機能異常と発熱の遷延が関与した．