日本臨床外科学会雑誌
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症例
捻転解除術のみで治療した原発性小腸軸捻の2例
得丸 重夫吉村 昌記北原 弘恵唐澤 幸彦織井 崇
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2017 年 78 巻 8 号 p. 1808-1813

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抄録

症例1は79歳,女性.3日間持続する腹痛で外来を受診した.腹部CT所見より単純性イレウスと診断し入院したが,入院翌日に腹水が増加したため,手術を施行した.腹水は漿液性で,小腸は時計回りに270°回転していた.症例2は69歳,男性.繰り返す腹痛が改善せず,救急外来を受診した.腹部CT所見より絞扼性イレウスを疑い,緊急手術を施行した.腹水は乳糜性で,小腸は時計回りに540°回転していた.2症例とも腹腔内には明らかな原因を確認されず,原発性小腸軸捻と診断した.いずれも小腸壊死には至っておらず,捻転解除のみで手術を終了した.本邦では原発性小腸軸捻は比較的まれな疾患であり,検索した範囲では自験例を含め59例の報告があった.その約半数が腸管切除を必要としたが,捻転解除のみで治療しえた症例と臨床的特徴を比較検討し,考察した.

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© 2017 日本臨床外科学会
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