日本臨床外科学会雑誌
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症例
局所麻酔下で手術したDown症患者における乳房血腫を呈する乳癌の1例
近藤 優森 美樹石黒 清介石川 衛笹本 彰紀宮本 康二
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キーワード: 乳癌, Down症, 局所麻酔
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2018 年 79 巻 1 号 p. 46-50

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抄録
症例は37歳,女性.生下時よりDown症と診断されている.1年半前に母が右乳房のしこりに気づき,増大したため当院を受診した.触診では右CD領域に10cm大の硬い腫瘤を触知,エコーで同部位に円形で境界明瞭,内部不均一な低エコー腫瘤を認めた.穿刺すると内容液は血性で細胞診,組織診ともに悪性所見は認めず経過観察とした.しかし,3カ月後にしこりが増大,悪性腫瘍の可能性が否定できず診断的治療として手術を行った.肥満・巨舌・環軸椎亜脱臼のため全身麻酔は意識下挿管が必要と麻酔科からの意見があり,Down症で理解力が乏しいため全身麻酔は選択せず,局所麻酔下で腫瘤摘出術を施行した.病理結果は粘液癌でサブタイプはLuminal A,残存乳房に対する放射線療法は不可能と判断し,現在はホルモン療法のみを施行している.今回,乳房血腫を呈した乳癌に対し局所麻酔下で切除したDown症患者の1例を経験したので報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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