2018 年 79 巻 1 号 p. 56-59
症例は78歳,男性.遠位弓部の胸部大動脈瘤と腎動脈下の腹部大動脈瘤と右外腸骨動脈閉塞を認めた.アクセスルートとして右総腸骨動脈に吻合した10mm人工血管を使用し,胸部・腹部のステントグラフト内挿術を施行した.合併症は認めず,術後11日目に退院となった.手術症例の高齢化が進み,腹部大動脈瘤と胸部大動脈瘤の合併や閉塞性動脈硬化症と大動脈瘤の合併は今後増加してくるものと思われる.今回,右外腸骨動脈閉塞を伴った,胸部・腹部大動脈瘤に対して,人工血管をアクセスルートとして一期的に手術を施行し,良好な結果を得たので報告する.