抄録
症例は83歳,女性.2016年9月,左腹部痛を主訴に当院を受診.精査の結果,下腸間膜動脈瘤が疑われ血管造影検査・塞栓療法目的に入院となった.検査の結果,S状結腸動脈・上直腸動脈から計4本の流入動脈を認める動静脈奇形と診断した.塞栓療法でうち2本を塞栓できたが,これ以上の塞栓はS状結腸・直腸の虚血が避けられないと判断し,塞栓療法は終了となった.外科的治療の方針となったが,排便障害,虚血による結腸の狭窄を認めず,腹痛は自制内であったため手術の同意が得られず,経過観察となった.その後,2017年1月に腸閉塞を認め,緊急入院となった.下行結腸の狭窄型虚血性大腸炎と診断し,保存的加療を行ったが改善傾向は認められず,同年5月に結腸左半切除術を施行した.塞栓療法により虚血性腸炎となった下腸間膜動脈由来の動静脈奇形に対して,結腸左半切除術を施行した1例を経験したので報告する.