日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
左肺静脈共通幹を術前診断し左肺下葉切除術を施行した肺MALTリンパ腫の1例
安藤 耕平大沢 宏至
著者情報
キーワード: 肺静脈, 共通幹, 胸腔鏡手術
ジャーナル フリー

2018 年 79 巻 10 号 p. 2043-2047

詳細
抄録
患者は56歳,女性.関節リウマチのスクリーニング検査で胸部CTを行ったところ左肺下葉に小結節を指摘され,肺癌の疑いで当科に紹介された.胸腔鏡下左肺下葉切除を予定したが,術前のCTで左肺静脈共通幹を認識できた.手術時に左肺静脈共通幹を確認し,末梢側に追及して上肺静脈と下肺静脈との合流部を確認した後に下肺静脈を切離することで,安全に胸腔鏡下での左肺下葉切除を完遂できた.肺静脈共通幹は肺血管の正常変異の一つであり,肺葉切除の際に肺静脈が共通幹であることを認識せずに誤って切断してしまうと,血行再建や残存肺全摘といった対処をしなければならなくなり,致命的ともなり得る.術前のCTで,切断すべき肺静脈・残すべき肺静脈の双方を確認し,さらに術中にも再確認することが安全に手術を行う上で重要であると考える.
著者関連情報
© 2018 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top