日本臨床外科学会雑誌
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症例
肛門管神経内分泌細胞癌の1例
小林 裕幸黒川 剛清水 稔中山 裕史菱田 光洋鳥居 康二原田 智子
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2018 年 79 巻 10 号 p. 2139-2144

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抄録
症例は62歳,女性.肛門痛のため当院外来を受診した.直腸指診にて肛門に腫瘍を触知した.下部内視鏡検査では肛門管に潰瘍を伴う隆起性の病変を認めた.生検にて神経内分泌細胞癌と診断した.CT検査で肛門管の腫瘍以外に直腸壁外・仙骨前面にも腫瘍を認め,PET-CTにて全て異常集積を示した.肛門管癌のリンパ節転移と診断し,腹会陰式直腸切断術+D3郭清を行った.切除標本では肛門管の腫瘍は25×25mmの大きさであった.病理検査にて腫瘍の大部分は大型類円形でN/C比の大きい細胞増殖を認め,進行度は Stage IIIbであった.肛門管の腫瘍は,免疫組織化学検査ではSynaptophysin強陽性,Chromogranin A陽性で,Ki-67陽性率は60%であった.また,腫瘍の口側辺縁に高分化型腺癌と絨毛腺腫を認めた.肛門管原発の神経内分泌細胞癌と診断した.術後補助化学療法としてmFOLFOX (6)を施行した.
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© 2018 日本臨床外科学会
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