日本臨床外科学会雑誌
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症例
大網脂肪織炎が原因と推定される大腸癌術後腸閉塞の1例
田代 善彦石川 正志松山 和男宮内 隆行大塩 猛人
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2018 年 79 巻 10 号 p. 2182-2187

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抄録
54歳,男性.横行結腸癌に対して結腸左半切除術+D3郭清を施行.術後2日目から水分・内服開始,5日目に食事開始,9日目には5分粥を摂取できた.10日目に腹痛出現,腹部CTを施行し,空腸起始部での閉塞を認めたが,縫合不全等の炎症所見はなかった.胃管挿入等の保存的加療で改善せず,17日目に再手術を施行.狭窄部である空腸起始部にはbandや内ヘルニアを認めず,大網が全周性に強固に癒着し閉塞の原因となっていた.剥離困難なため同部位を切除し,空腸空腸吻合術を施行.再手術後6日間は胃管排液量の減少を認めたが,9日目から増加した.大網の脂肪織炎が吻合部に再発したと考え,保存的治療を継続した.17日目までは1L/日程度の胃管排液があったが徐々に減少し,消化管造影で通過障害の改善を認め,食事摂取を再開し48日目に退院した.大腸癌術後早期の大網の異物反応による繰り返す腸閉塞の報告はなく,文献的考察を加えて報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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