日本臨床外科学会雑誌
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症例
メッシュ除去と神経切離術で除痛が得られた鼠径ヘルニア術後慢性疼痛の1例
松本 龍長久 吉雄橋田 和樹横田 満岡部 道雄河本 和幸
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2018 年 79 巻 10 号 p. 2188-2192

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抄録
鼠径ヘルニア術後の慢性疼痛は,患者のQOLを著しく低下させる重篤な合併症である.今回,鼠径ヘルニア術後の慢性疼痛に対して,メッシュ除去術および神経切離術を行い,著明な除痛が得られた1例を経験したので報告する.症例は77歳の男性で,右腎癌治療に伴う慢性腎不全で血液維持透析中であった.左内鼠径ヘルニアに対して鼠径ヘルニア修復術(Mesh Plug法)を施行した.術後3カ月で左鼠径部痛が出現した.左鼠径部の異常感覚と左鼠径部から左大腿内側にかけての放散痛を認めたことから,神経因性の慢性疼痛と診断した.鎮痛剤による内服加療が奏効せず,初回手術より5カ月でメッシュ除去術および神経切離術を施行した.手術直後より著明な除痛が得られた.病理組織学的検査では,陰部大腿神経陰部枝周囲に広範な脂肪壊死および瘢痕化所見を認め,そこへ向かって同神経が牽引されていたことから,今回の神経因性疼痛の原因の一つと考えられた.
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© 2018 日本臨床外科学会
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