抄録
症例は88歳,女性.腹痛を主訴に来院し,腹部CTにて回腸末端部近傍の小腸に絞扼性イレウスの所見を認め,また,壁沿いに弧状の石灰化像を伴う管状構造を膀胱右腹側に認めたが,右人工股関節からの金属アーチファクトのため詳細な観察が困難であった.画像上,絞扼性イレウスと管状構造との因果関係は不明であったが,絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.画像上の管状構造は虫垂の嚢胞性腫瘤であり,この腫瘤を先進部として回腸末端に巻絡をきたし絞扼性イレウスを呈していたため,回盲部切除術を施行した.術後の病理組織検査にて嚢胞性腫瘤は虫垂粘液嚢胞腺腫と診断された.絞扼性イレウスを合併する虫垂粘液嚢胞腺腫の1例を経験したため,ここに報告する.