抄録
症例は65歳,男性.反復する右上腹部痛にて前医より胆嚢炎と診断され,抗菌薬にて加療されていたが症状再燃を認め,精査加療目的で当院紹介となった.腹部超音波検査で胆嚢内腔に向けて拍動性出血を認め,造影CT検査でも胆嚢動脈近傍にextravasationを認めたため,胆嚢動脈瘤による胆嚢出血と診断した.全身状態は良好であり,準緊急的に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.病理検査で胆嚢仮性動脈瘤の破裂と診断した.胆嚢仮性動脈瘤の明らかな原因は特定できなかった.術後経過良好で,術後10病日目に退院となった.今回,胆嚢仮性動脈瘤による胆嚢出血を術前診断し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を行うことで良好な経過を辿ることが出来た1例を経験したので報告する.