日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸腔鏡下食道亜全摘術を施行した乳癌術後10年目の食道転移の1例
神津 慶多守屋 智之辻本 広紀山崎 民大上野 秀樹山本 順司
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2018 年 79 巻 2 号 p. 314-319

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抄録
症例は70歳,女性.10年前に左乳癌(Stage IIb)に対し手術を受け,補助化学療法後,anastrozoleを内服した.術後9年目に左鎖骨上リンパ節再発をきたしたため,ホルモン療法を再施行中であった.術後10年目に嚥下困難を訴え,経口摂取不可能となったため,上部消化管内視鏡検査を施行,胸部中部食道に全周性狭窄を認めた.生検で悪性所見が得られず,バルーン拡張,ステント留置も困難であったため,症状改善と診断確定を目的として胸腔鏡下食道亜全摘術を施行した.摘出標本による病理学的検索では,乳癌食道転移の診断であった.術後縫合不全を生じたが保存的に軽快,第30病日に退院となった.術後8カ月の現在,固形食摂取は概ね良好,化学療法を施行中である.多発転移を伴う再発乳癌に対しては化学療法が治療の主体となるが,症状改善を目的とした胸腔鏡下手術も選択肢となりうる.
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