日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸球部に嵌頓した1型進行胃癌の1例
東 敏弥山田 卓也辻本 浩人上松 孝
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2018 年 79 巻 2 号 p. 331-336

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抄録
症例は94歳の女性で,貧血の精査目的で紹介され,腹部CTで十二指腸球部に50mm大の腫瘤性病変を認めた.上部消化管内視鏡検査では幽門部前壁から胃粘膜の引きつれと,十二指腸内腔に胃から連続する隆起性病変を認め,生検で腺癌であった.十二指腸球部に嵌頓した胃癌と診断し,幽門側胃切除術を行った.腫瘍は幽門輪上に存在する60×50mm大の1型で,病理組織学的検査はtub2 > tub1,pT2(MP),int,INFb,ly2,v2,pN0,pPM0,pDM0,pStage IBであった.
十二指腸球部に脱出した胃癌の多くは早期胃癌であるが,稀に進行胃癌の場合もある.進行胃癌の場合は,腫瘍径が大きくball valve syndromeの合併率も高いため,術前の深達度評価として,腫瘍径やball valve syndromeの合併の有無も指標の一つとなりえる.
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