日本臨床外科学会雑誌
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症例
頻尿を契機に発見された骨盤内solitary fibrous tumorの1例
辻本 裕紀村田 祐二郎織畑 光一寺下 勇祐寺島 裕夫岸田 由起子
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キーワード: solitary fibrous tumor, 頻尿, STAT6
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2018 年 79 巻 2 号 p. 418-423

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抄録

症例は69歳,男性.頻尿を主訴に近医を受診し,骨盤内腫瘤を指摘され,当科を紹介された.腹部CTでは,膀胱や前立腺を右側に圧排する巨大腫瘤を認めた.画像所見で周囲への浸潤はなく一括切除が可能と判断し,生検は行わず手術の方針とした.標本は最大径26cm,2,030g.割面は主としてゼリー状で隔壁を有する嚢胞性,充実性の腫瘍部分とが混在していた.組織学的には“patternless pattern”を認めた.免疫染色では,CD34・Bcl-2・CD99が陽性で,近年有用性の高さが報告されているSTAT6にも陽性を示し,孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor:以下SFT)と診断された.頻尿という特異性の低い症状を契機に発見されたSFTは,1983~2016年での報告例(会議録を除く)7例のみで,貴重な症例と考え,若干の文献的考察を加えて報告する.

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