日本臨床外科学会雑誌
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症例
経皮的胸管破砕術により再手術を回避できた食道癌術後難治性乳糜胸の1例
小林 康伸坪井 一人市原 恒平谷田部 沙織梶本 徹也柏木 秀幸
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キーワード: 食道癌, 乳糜胸, 胸管破砕術
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2018 年 79 巻 3 号 p. 500-504

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抄録
症例は55歳,男性.進行食道癌cT2N1M0 cStage IIの診断で術前化学療法後に,腹臥位胸腔鏡下食道亜全摘を施行した.術後より右胸腔ドレーンから大量の排液を認め,乳糜胸と判明した.オクトレオチド酢酸塩の皮下注射および高カロリー輸液による管理を行ったが乳糜胸は改善せず,初回手術から第21病日に胸管塞栓術を予定した.リンパ管造影後に塞栓術を試みるもワイヤーカニュレーションができず,透視下に胸管破砕術を施行した.破砕術後より乳糜胸は減少傾向となり,破砕術より30日目に退院となった.食道癌術後の難治性乳糜胸に対し,保存的加療によって改善せず胸管破砕術により治癒が得られた1例を経験した.本法は食道癌術後乳糜胸に対し,手術に比し低侵襲であり,治療の一つのオプションとなり得る有効な手段であると考えられた.
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© 2018 日本臨床外科学会
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