日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝門部胆管癌と鑑別困難であった胆管断端神経腫の1例
三賀森 学種村 匡弘古川 健太門 威志岸 健太郎赤松 大樹
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2018 年 79 巻 4 号 p. 879-884

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抄録
症例は70歳,女性.22年前に胆嚢炎に対して胆嚢摘出術を施行された.平成28年11月,腹痛を認め近医を受診.エコーで肝内胆管の拡張を指摘され当院を受診した.造影CTにて総肝管~右肝管に造影効果を示す腫瘤を認め,後区域の胆管は拡張していた.ERCPにて擦過細胞診および生検では悪性所見は認めなかったが,画像上,肝門部胆管癌を完全に否定しきれず,切除目的に紹介となった.拡大肝右葉切除術,胆管切除術,胆管空腸吻合術を施行した.切除標本では総肝管から右肝管にかけて充実性腫瘍を認めた.病理検査では粘膜下に神経線維の増生を認め,胆管断端神経腫と診断された.22年前の胆嚢摘出術の際に右肝管を損傷してTチューブが留置されており,断端神経腫の発生原因になったと推察される.肝門部胆管の断端神経腫の報告は非常に稀であるが,胆道系手術後に胆管狭窄を認めた場合には本症の可能性も念頭に置き,治療方針を検討するべきである.
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© 2018 日本臨床外科学会
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