抄録
Castleman病は縦隔を好発とするリンパ増殖性疾患であり,膵近傍の原発はまれである.
症例は45歳,男性.検診の腹部超音波検査で膵腫瘤を指摘され,当院を受診.腹部造影CT検査で膵体部に頭側に突出する造影効果を伴う46mm径の充実性腫瘤を認めた.血液検査に特記すべき異常所見を認めなかった.超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)では異型を伴わないリンパ球を認めるのみであり,確定診断は得られなかった.悪性リンパ腫や膵神経内分泌腫瘍を否定できず,切除の方針とした.腫瘤は赤色・軟で膵体部の頭側に存在し,腫瘍周囲には栄養血管と思われる細径血管が多数存在した.鑑別診断困難で膵原発の病変が否定できず,完全切除のために膵体尾部脾切除術を選択した.病理組織学的検査ではCastleman病(hyaline vascular type)と診断した.術後合併症なく,術後10日目に軽快退院した.
術前診断困難病変の術式選択は議論となるが,進展範囲に応じた過不足のない術式選択が重要と考える.