日本臨床外科学会雑誌
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症例
虫垂炎にて発症し待機的に腹腔鏡下切除した虫垂神経鞘腫の1例
杉田 純一川崎 修平土屋 朗之北村 洋百目木 泰藪内 伸一
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キーワード: 虫垂, 神経鞘腫
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2018 年 79 巻 5 号 p. 1038-1043

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抄録
症例は48歳,女性.腹痛,背部痛にて受診.急性虫垂炎疑いにて当科紹介.腹部CT・超音波検査にて,虫垂の腫大と虫垂根部腫瘍を認めた.虫垂・盲腸腫瘍による急性虫垂炎と診断した.保存的加療にて炎症改善後に精査を施行し,根治手術の方針とした.下部消化管内視鏡検査では,虫垂開口部の発赤と粘膜下腫瘍様の隆起を認めたが,生検では炎症粘膜であった.虫垂癌を否定できないため,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.病理組織検査では,虫垂根部に20mm大の腫瘤を認め,S-100抗体陽性を示す紡錘形細胞からなる神経鞘腫の診断であった.虫垂腫瘍は偶発的に発見されるものの他,自験例のように虫垂炎症状を初発とするものも多い.虫垂神経鞘腫は術前に診断するのが困難であり,手術に際し切除範囲の決定に難渋する.虫垂炎症状改善後に,内視鏡検査やPET-CTなどを行い,術式を検討するのが望ましいと考える.
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© 2018 日本臨床外科学会
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