抄録
症例は43歳,女性.右乳房の硬結を主訴に当科へ紹介受診となった.右乳癌(T2N3bM0 Stage IIIC),Luminal B-likeの診断にてprimary systemic therapy(PST)としてepirubicin+cyclophosphamide→docetaxelを施行した.PST後に残存した低エコー領域を腫瘍の遺残と捉えycT1N0M0 Stage Iと判断し,右乳房部分切除術と同側の腋窩郭清を施行した.しかし病理報告では,腫瘍の遺残とした部分は線維腺腫で,浸潤癌乳管内癌ともに消失していた.術後は残存乳房および傍胸骨照射と術後補助内分泌療法を施行し3年8カ月経過後,再発徴候は認めていない.PST後の針生検を行うことでPST後の治療効果の過小評価を防ぎ,より縮小した手術を提供できた可能性がある.