抄録
大正13年に初代院長松島善三が横浜市西区に内科・外科・肛門科標榜の医院を開業した.昭和の初期,偶然に入手した薬物による難治性痔瘻の治療成功をきっかけに,手術治療と薬物治療の両方を駆使する肛門科に特化していった.1900年ごろ我が国の肛門科診療は,大きく薬物療法を行うものと結紮を主体とした観血的治療を行うものの2つに分けられていたが,学問的に両者が相容れるには長い時間が必要だった.教育を含む肛門科医療の現況を提示し,問題点とこれからの展望について,肛門科専門病院としての90年の中で得た知見をもとに報告する.