日本臨床外科学会雑誌
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症例
横行結腸が単独脱出し十二指腸閉塞を呈した食道裂孔ヘルニアの1例
伏見 卓郎吉岡 貴裕村田 年弘上塚 大一宇田 征史川真田 修
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2018 年 79 巻 6 号 p. 1204-1208

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抄録
食道裂孔に横行結腸のみが脱出し,横行結腸により十二指腸が牽引され十二指腸閉塞を呈した1例を経験したので報告する.症例は77歳の女性.以前から縦隔内に横行結腸が脱出する食道裂孔ヘルニアを指摘されていたが,通過障害なく経過観察となっていた.嘔吐を主訴に近医を受診し,腸閉塞の診断で当院へ紹介となった.腹部単純CT検査では,縦隔内に脱出した横行結腸により十二指腸球部が牽引され十二指腸閉塞を呈していた.胃管で減圧し待機的に腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア根治術を施行した.食道裂孔は約3cm大で横行結腸が縦隔内に脱出していた.ヘルニアを還納後,食道裂孔を非吸収糸で縫縮した.術後経過は良好で,術後2年間に再発を認めていない.本邦において横行結腸が単独脱出した食道裂孔ヘルニアの報告は散見されるが,十二指腸閉塞を呈した報告はなく,稀な病態と考えられた.
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© 2018 日本臨床外科学会
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