抄録
症例は34歳,男性.出生時に先天性水頭症と診断され脳室腹腔シャント(ventriculoperitoneal shunt:VPシャント)造設術を施行.今回,腹部膨満と腹痛を主訴に腹膜炎の疑いで当院を紹介受診し腹部CT検査で腹腔内嚢胞を認め,腹腔穿刺を行い漿液性の液体を採取.嚢胞内にVPシャントチューブがあることから,VPシャントによる腹腔内髄液仮性嚢胞と診断.穿刺ドレナージ後も嚢胞に髄液貯留を認めるため,VPシャント腹腔内移行術施行.腹腔内は癒着が強く,VPシャントチューブを延長し先端を癒着剥離した上腹部へ移行.腹水は減少し腹部膨満も軽快したため術後18日目に退院.術後180日に水頭症増悪を認め,腹部CT検査から腹腔内髄液仮性嚢胞再発と診断しVPシャントを抜去.脳室心房シャント(ventriculoatrial shunt:VAシャント)造設術を施行後は感染や閉塞,水頭症の増悪は認めない.