抄録
大動脈十二指腸瘻(aorto-duodenal fistula:ADF)は大動脈が十二指腸と直接交通をきたす疾患であり,発症すると大量の消化管出血や出血性ショック,敗血症を引き起こし,未治療の場合は高率に死に至る重篤な疾患である.今回われわれは,大動脈十二指腸瘻(一次性)に対しステントグラフト内挿術およびその後1年間の抗生剤内服投与にて長期間経過の安定している症例を経験した.特に一次性(外傷性など)においては発症後早期より抗生剤投与・腸管の減圧を行い,ステントグラフト(SG)治療によって循環を安定させ,長期抗生剤投与の併用により外科的手術の介入を回避し,長期に寛解を維持できる症例があることが示唆される.