日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹壁瘢痕ヘルニア手術時のメッシュ温存腹腔鏡手術を行った虫垂炎の1例
藤田 悠介川田 洋憲北條 雄大平田 真章川崎 有亮牧 淳彦
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2018 年 79 巻 8 号 p. 1730-1735

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抄録
腹壁瘢痕ヘルニアに対するメッシュを用いた修復術は広く普及している.メッシュを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術後(以降,メッシュ修復後)に手術をする場合,メッシュ除去や広範な腹壁再建が必要となりうるメッシュ感染をできるだけ避けるべきである.しかし,メッシュ修復術後の一般的な腹部手術に関する報告は少なく,感染を回避するための工夫の報告はない.症例は74歳の女性,腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下メッシュ修復術8カ月経過後に,急性虫垂炎と診断された.前回手術時のカメラポートの位置で小開腹し,気腹後にカテラン針を用いてポート留置位置を確認することでメッシュに切開を加えない腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.術後経過はメッシュ感染を起こすことなく良好であった.腹腔鏡手術は創部感染が少なく,さらにメッシュ感染を引き起こしうるメッシュ切開を避けられ,メッシュ修復術後患者の腹部手術に非常に有用であると考えられた.
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© 2018 日本臨床外科学会
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