日本臨床外科学会雑誌
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症例
順調に術後経過した抗リン脂質抗体症候群を併存したS状結腸癌の1例
阪野 佳弘鄭 充善大塚 正久岸 健太郎種村 匡弘赤松 大樹
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2018 年 79 巻 9 号 p. 1896-1900

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抄録
抗リン脂質抗体症候群は,重篤な血栓症を引き起こす自己免疫疾患であり,周術期の慎重な管理が必要とされている.今回われわれは,抗リン脂質抗体症候群に併発したS状結腸癌に対して単孔式腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行した1例を経験した.症例は53歳,男性.便の狭小化を主訴に来院され,精査の結果S状結腸癌を認めた.既往歴に肺塞栓症とWPW症候群があり,カテーテル治療後であった.その際,抗カルジオリピン抗体陽性で抗リン脂質抗体症候群の診断に至り,ワルファリンカリウムを内服されていた.周術期は未分画ヘパリンにてヘパリン化した上で,手術を施行した.術後1日目より再度ヘパリン化を行い,術後3日目にワルファリンカリウムを開始し明らかな血栓症や出血なく術後13日目に退院となった.抗リン脂質抗体症候群に併発したS状結腸癌に対して単孔式腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行し,良好な経過を得たため報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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